目標の月収まで足りない分を、あなたの経験と空き時間でどう埋めるか。この記事では、その道筋を一緒に考えます。
- この記事は、副業を配達にするか、自分の専門を使うかで迷っている人に向けて書いています。
- 同じ週10時間を使っても、職種によって月の収入は約5.8万円から約30.3万円まで開きます。
- 最後に、あなたの数字で道筋を出せるシミュレーターを案内します。
私は、BtoBの営業を経験し、その後は広告運用やSEOなどのマーケティングに携わってきました。いまは個人で事業をしながら、自分の働き方と収入の組み立て方を考え直しています。
副業を考えるとき、多くの人は「何をすれば、いくら稼げるか」から調べ始めます。けれども、その前に決めておきたいことが2つあります。1つは、目標の月収まで毎月いくら足りないかです。もう1つは、そのために毎週どれだけの時間を使えるかです。この記事は、この2つを決めるところから始めます。条件がすでに決まっている人は、先にシミュレーターで試してから、この記事に戻ってきても大丈夫です。
まず、目標の月収まで毎月いくら足りないかを決めます
目標の月収は、いまの収入を含めた額で考えます。たとえば、いまの月収が30万円で、35万円あれば暮らしに余裕ができるなら、目標の月収は35万円です。この場合、目標の月収まで足りない分は月5万円になります。
額を決めるときは、その額が必要な理由も一緒に書き出してください。「子どもの教育費を貯めたい」「いつか独立したい」といった理由は、あとで道を選ぶときの基準になります。すぐに足りない分を埋めたい人と、数年かけて働き方を変えたい人では、選ぶ道が変わるからです。
次に、毎週使える時間を正直に見積もります
副業に使える時間は、本業と睡眠と家族の時間を先に確保してから、残った時間で考えます。シミュレーターでは、週5時間、10時間、16時間、24時間、40時間の中から選びます。
週10時間は、平日の夜に1時間ずつ働き、休日に5時間働く計算です。多めに見積もると、計算の上では目標に届いても、数か月で続かなくなることがあります。迷ったときは、少ないほうを選んでください。
あなたの経験に、1時間あたりいくらの値段がつくかを確かめます
下の表は、同じ週10時間を使った場合の、月の収入の目安です。1か月を4.3週とし、週10時間を月43時間として計算しています。専門職の副業には、後で説明する理由から0.75を掛けています。ご自身の職種の行を探してください。
| 働き方 | 時間単価 | 週10時間での月の目安 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 配達(平均) | 1,351円 | 約5.8万円 | おいしいデリバリー |
| 配達(相場) | 1,300〜2,000円 | 約5.6万〜8.6万円 | おいしいデリバリー |
| Webデザイナー | 2,000〜4,000円 | 約6.5万〜12.9万円 | レバテック |
| Webマーケター | 3,000〜4,000円 | 約9.7万〜12.9万円 | レバテック |
| 営業(固定報酬型) | 3,100〜3,750円 | 約10.0万〜12.1万円 | ウルマップ |
| エンジニア(バックエンド、フロントエンド、インフラ) | 4,000〜5,000円 | 約12.9万〜16.1万円 | レバテック |
| コンサルタント | 4,400〜5,600円 | 約14.2万〜18.1万円 | ミエルカ |
| クラウドエンジニア | 5,000〜6,000円 | 約16.1万〜19.4万円 | レバテック |
| PM | 5,600〜9,400円 | 約18.1万〜30.3万円 | フリコン |
- 配達の金額は、経費を引く前の売上です。専門職の金額にだけ0.75を掛けています。
- 営業は、固定報酬型の案件に限った数字です。この数字は企業が営業代行に支払う費用の相場なので、個人が受け取る額はこれより低くなる場合があります。成果報酬型の案件は、時間単価では計算できません。
- コンサルタントとPMは、週5日の月額を160時間で割って時間単価を出しています。PMの案件が週10時間で成り立つかどうかは、案件によって違います。
- どの数字も市場の相場です。この金額で必ず受注できることを示すものではありません。
表を見ると、多くの専門職は配達より時間単価が高くなっています。ただし、Webデザイナーの下限(約6.5万円)は、配達の相場の上限(約8.6万円)を下回ります。専門職を選べば必ず配達より稼げる、というわけではありません。
同じ職種の中でどこに位置するかは、経験年数とスキルで変わります。目安として、実務経験が3年未満の人はレンジの下のほう、3〜7年の人は中ほど、8年以上の人は上のほうに位置します。ただし、単価は年数だけでは決まりません。身につけたスキルと、仕事で出した成果が大きく影響します(フリコン)。シミュレーターは、あなたの職種と経験年数に合わせて、この表のレンジを絞った数字を出します。
単価を上げるには、どんな経験を積めばよいかを考えます
単価が上がる条件は、相場の出典にもいくつか書かれています。そのうえで、日々の仕事の中でできる行動を職種ごとにまとめました。行動のほうは一般的な考え方で、実行すれば単価がいくら上がると約束するものではありません。
Webデザイナー
条件コーディングやUI/UXの知識がある人は、単価が上がる傾向があります(レバテック)。行動自分でデザインした画面を、コーディングまで仕上げた制作物を1つ作ってください。見た目の説明だけでなく、使う人が迷わない理由まで説明できるようにしておくと、提案の場で役に立ちます。
Webマーケター
条件施策の実行だけでなく、戦略を統括できる人は、単価がさらに上がります(レバテック)。行動本業で、予算の配分や目標の設定を決める場に関わる機会を取りにいってください。施策の結果を、売上や問い合わせ数の変化として説明できるようにしておきます。
営業
条件専門性が高い商材を扱える人は、固定報酬型でも月100万円近くになることがあります(ウルマップ)。行動いま扱っている商材の業界知識を、社外の人に説明できる形で書き出してください。どんな顧客に、どんな課題の解決として売ってきたかを言葉にできると、商材が変わっても経験が伝わります。
エンジニア
条件表の中では、クラウドの時間単価がほかの分野より高くなっています(レバテック)。設計や要件定義などの上流工程の経験や、チームリーダーやPMとして成果を出した経験も、単価を大きく引き上げます(フリコン)。行動いまの業務の中で、クラウド環境に触れる範囲と、設計や要件定義に関わる範囲を少しずつ広げてください。設計や運用に関わった内容は、どの規模の仕組みで何を担当したかという形で記録しておきます。
どの職種にも共通すること
担当した仕事の成果を、数字で説明できる形で記録しておいてください。業務委託で仕事を請けるときは、何ができる人なのかを初対面の相手に伝える必要があります。成果を数字で説明できると、その説明が短く具体的になります。コンサルタントとPMについては、単価が上がる条件を示した出典が手元にないため、ここでは扱っていません。
副業の収入は、少し控えめに見積もります
副業の収入を調べると、「週10時間×時給5,000円=月20万円」という計算をよく見かけます(Zenn)。同じ条件をシミュレーターの考え方で計算すると、月の収入は約16.1万円になります。シミュレーターは、1か月を4.3週として時間を出し、そこに0.75を掛けているからです。
0.75を掛ける理由は、週5日の案件の単価をそのまま週2日分に割り振ると、実際より高く出るからです。ミエルカの支援例では、週5日で月70〜90万円になる案件が、週数日の稼働では月20〜30万円になっています。週数日を週2日(月69時間)と置いて単純に割り振ると月30〜39万円になるので、実際の金額はその約7〜8割にとどまります。この差から、中ほどの0.75を使っています。
この0.75は、ミエルカの支援例1件から出した推定です。すべての案件に当てはまる数字ではありません。それでも控えめに見積もっておけば、計画どおりに届かなかったときに、続ける気持ちが折れにくくなります。
3人の例で、道筋の出し方を一緒に見ていきます
ここからは、条件の違う3人の例を見ていきます。どの例も実在の人物ではなく、表の数字から作った想定例です。シミュレーターの結果も、この例と同じように、足りない額と埋め方の順番で表示されます。
営業の経験が8年以上ある会社員が、目標の月収まで月10万円足りない場合
この人は、副業に週10時間を使えます。固定報酬型の営業の副業で、経験年数に合わせた単価で計算すると、月の収入は約11.0万〜12.1万円になります。この人は、計算の上では目標の月収に届きます。ただし、週10時間で成り立つ固定報酬型の案件があるかどうかは、案件によって違います。営業は成果報酬型の案件が多く、成果報酬型では月ごとに収入が上下します。この人には、まず固定報酬型の案件を探し、見つかるまでの間は別の手段で足りない分を補う道があります。
Webデザイナーの実務経験が3年未満の会社員が、目標の月収まで月10万円足りない場合
この人は、副業に週10時間を使えます。経験年数に合わせた単価で計算すると、月の収入は約6.5万〜9.4万円になります。単価の下のほうで受注した場合、この人は目標の月収まで最大で約3.6万円足りません。この足りない分を配達の平均時給(1,351円)で埋めるには、月に約26時間、週に約6時間が必要です。副業に使う時間は、合わせて週16時間になります。この人がまず確かめるべきことは、週16時間を本業と両立できるかどうかです。両立が難しい場合は、先ほどの「単価を上げるための行動」に取り組む道があります。単価が上がれば、配達に使う時間を少しずつ減らせます。シミュレーターは、単価の上のほうで受注できた場合に足りない分を表示します。また、配達などの仕事の時間単価を1,500〜2,000円で計算しているため、この例より少ない時間が表示されます。この違いは、後の節で説明しています。
エンジニアの実務経験が3〜7年ある人が、週5時間しか使えず、目標の月収まで月7万円足りない場合
この人は、バックエンドエンジニアとして副業をするつもりです。経験年数に合わせた単価で計算すると、この人は週5時間でも月約6.9万〜7.7万円を得られる計算です。単価の上のほうで受注できれば、目標の月収に届きます。下のほうで受注した場合は、わずかに足りません。使える時間が少ない人ほど、時間単価の高い専門性を使う意味が大きくなります。同じ月7万円を配達の平均時給で埋めるには、週に約12時間が必要だからです。一方で、週5時間で請けられる案件は限られるので、この人は稼働の条件を相手と相談できる案件を探すことになります。
3人のうち、あなたに近い人はいましたか。あなたの数字を入れると、同じ形で道筋が表示されます。
足りない分の埋め方は、4つの道から選びます
シミュレーターの最後では、足りない分をどう埋めるかを4つの中から選びます。4つの道は、始めやすさと時間単価がそれぞれ違います。
専門を活かす道
自分の経験を使って、業務委託で仕事を請ける道です。時間単価は高い一方で、契約が決まるまで収入は発生しません。マーケティング職の例では、初回の契約は3か月程度で結ばれることが多く、週1〜2日や、夜間と休日の稼働を条件にした副業向けの募集も多くあります(インディバース)。
経験を問わない仕事で埋める道
配達などの現地で働く仕事や、在宅の仕事で埋める道です。配達は面接がなく、登録はオンラインで完結し、初期費用は約6,000円が目安です。報酬は、原則として週単位で入金されます(おいしいデリバリー)。時間単価は専門職より低くなりますが、配達は働いた分がそのまま売上になります。在宅の仕事は、受注が決まるまで収入が発生しません。
独立する道
会社員を辞めて、専門の仕事1本にする道です。週5日を使えるので月の収入は大きくなります。ただし、社会保険料の負担が変わること、賞与や有給がなくなること、経費と税を自分で管理すること、案件が途切れる月があることを差し引いて考える必要があります。いきなり切り替えずに、副業で1件請けて感覚をつかんでから判断する方法もあります。
まだ決められない人の道
どれが合うか分からない人は、この選択肢を選んでください。3つの手段で、それぞれ週に何時間かかるかが並んで表示されます。迷ったときは、最初に書き出した「その額が必要な理由」に戻ってください。すぐに足りない分を埋めたい人には、経験を問わない仕事が合いやすくなります。数年かけて収入の形を変えたい人には、専門を活かす道が合いやすくなります。
道を選ぶと、紹介先が用意できたときにお知らせを受け取るためのフォームが表示されます。いまは紹介先を準備している段階で、希望の多い分野から優先して準備しています。
配達の時給は、調査によって幅があります
この記事では、配達の時給として、おいしいデリバリー(運営:AMO)の調査を使っています。この調査では、Uber Eats配達員238人の自己申告の平均が1時間1,351円で、配達員8人の実例は1,477〜2,400円でした。これらをもとに、相場は1時間1,300〜2,000円とされています。平均の1,351円は2025年1月の売上で、クエスト報酬を含み、経費を引く前の金額です。
シミュレーターは、配達などの現地で働く仕事を、1時間1,500〜2,000円で計算しています。この値は、都市の中心部で注文の多い時間帯に働く場合を想定したもので、外部の調査と比べると上限寄りです。郊外で働く人や、注文の少ない時間帯も含めて働く人は、シミュレーターの表示より多くの時間が必要になると考えてください。
始める前に、確かめてほしいことがあります
- 勤め先の就業規則で、副業が認められているかを確認してください。
- 副業の時間のために、睡眠や家族との時間を削る計画になっていないかを見直してください。
- 配達は、交通事故のリスクがある仕事です。車両や通信の経費、税金の管理も自分で行います(おいしいデリバリー)。
- 副業の所得の額によっては、確定申告が必要になります。詳しくは、税務署や税理士に確認してください。
- この記事の数字は市場の相場です。この金額で必ず受注できることを示すものではありません。
あなたの数字で、目標までの道筋を出してみてください
ここまで一緒に考えてきたことをシミュレーターに入れると、あなたの条件での道筋が表示されます。入力する項目は6つです。
- いまの働き方(会社員か、フリーランス・個人事業主か)
- 副業や独立で使う職種(いまの本業と違ってもかまいません)
- その職種の実務経験の年数
- いまの月収(額面でかまいません)
- 目標の月収(いまの収入を含めた額)
- 副業に使える時間(週5時間から40時間の中から選びます)
入力すると、目標の月収まで足りない額と、副業で足す場合と独立する場合の見通しが表示されます。最後に、足りない分の埋め方を4つの道から選べます。
道を選ぶと、選んだ内容と試算の条件が、紹介先を準備するための参考として記録されます。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
出典(掲載日や更新日は出典ごとに異なります。数字は各ページの記載にもとづきます)
- おいしいデリバリー(運営:AMO)「Uber Eats配達員はやめとけ?初期費用・収入・向き不向きを9年経験者が本音解説」
- レバテック「フリーランスの時給相場を解説」(2026年2月12日更新)
- フリコン「【2026年最新版】フリーランスエンジニアの単価相場と単価の上げ方とは?」
- ミエルカマーケティングジャーナル「業務委託の費用はいくらが適正?報酬相場や経費精算/勘定科目について解説」(2024年11月25日更新)
- ウルマップ「営業代行の費用相場はいくら?報酬の決まり方や料金体系の選び方を解説」(2022年11月18日更新)
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- Zenn「エンジニア副業の単価相場と報酬の仕組みを完全ガイド」

