InstagramのAPI連携で開発したツールでマイクロインフルエンサー候補アカウントの選定手順(横浜市青葉区のパン屋の場合)

私は現在、サラリーマンをしながら個人事業も行っています。(経歴については各SNSをご覧ください。ここでは割愛します。)

先日、個人事業用のホームページやnoteで、Instagramのマイクロインフルエンサーを活用したプロモーションサポートのパイロットプログラムをアナウンスしました。今回は、InstagramのAPI連携で開発したツールを活用し、マイクロインフルエンサー候補アカウントを選定する手順を、横浜市青葉区のパン屋を想定して紹介します。

プロモーションサポートにご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

なぜマイクロインフルエンサーなのか

簡単にお伝えすると体験談からマイクロインフルエンサーの可能性を感じたから、です。

私の妻が、よくInstagramで情報収集を行います。主に子育てやライフハックに関する情報をインプットして、実際に商品の購入や課題解決に活用しています。私が思っていたインフルエンサーよりもフォロワー数の少ない、所謂マイクロインフルエンサーと呼ばれているようなアカウントをフォローして情報収集していました。活動方針も的確で、あるテーマに特化したアカウントであることです。例えば「子育てに特化」「キッチンのライフハックに特化」といったものです。このアカウントに集まるフォロワーはそのカテゴリに関する情報のみを求めているため、フォロワーの満足度が高くなります。そこに目をつけました。

InstagramのAPI連携を活用したシステムと仕様について

開発は外部に依頼したため詳細は分かりませんが、Metaが公開しているInstagramのAPIを活用しています。このAPIを利用し、ハッシュタグ検索のデータを取得できる仕組みになっています。特定のハッシュタグを指定するとデータの取得が開始され、過去24時間以内の投稿データを収集します。収集したデータを蓄積しながら、アクティブでフォロワーの反応が活発(エンゲージメントの高い)アカウントを調査します。

さらに、設定したハッシュタグと一緒に使用されているハッシュタグの集計も行います。これにより、関連度の高いハッシュタグを特定できるだけでなく、新たなハッシュタグを指定することで、より広範囲にわたるハッシュタグ検索データをもとにアカウントの特定が可能になります。

なお、このハッシュタグ検索には、Instagramアカウントごとに登録可能なハッシュタグ数の制限があるため、今後案件が増えた際には適切な対応策を検討する必要があります。

開発ツール画面:サンプル

横浜市青葉区のパン屋がInstagramのマイクロインフルエンサーを活用する方法

Instagramのマイクロインフルエンサーを活用したプロモーション手順について、汎用的な事例をご紹介します。より分かりやすくするために、横浜市青葉区のパン屋「ベーカリーA」を想定して説明します。

マイクロインフルエンサーを活用したプロモーションの検討手順として、一般的には以下の流れになります。

まず、ベーカリーAの目的を明確に設定します。ここでは、「固定客を多く獲得したい」という目的でプロモーションを実施すると仮定します。

次に、固定客となり得るターゲットを定義します。例えば、「横浜市青葉区在住の人」をターゲットとします。

その後、ターゲットの属するコミュニティを検討します。たとえば、「青葉区周辺の地域情報を発信しているアカウントは、周辺住民がフォローしている可能性が高い」と考えられます。このようなアカウントの運営者がマイクロインフルエンサーになります。加えて、他にも影響力のあるコミュニティを定義し、それらを活用することでプロモーションの効果を高めます。

コミュニティの定義が決まったら、対象となるアカウントをリサーチします。個人で実施する場合、Instagramの検索機能を使って探す方法がありますが、前回の記事でも触れたように、Instagramの検索はマイクロインフルエンサーを見つけるにはUXがやや不便です。そのため、さまざまな検索キーワードを駆使してコミュニティを発掘する必要があり、時間がかかることが想定されます。

予算がある場合、この作業を外部に委託する選択肢もあります。インフルエンサーマーケティングを専門とする企業は多数存在するため、見積もりを取り、妥当な価格であれば依頼するのも有効な手段です。

ここで、前述の開発ツールが大きな役割を果たします。このツールを活用することで、個人でも効率よくマイクロインフルエンサーを特定できるため、コストパフォーマンス(コスパ)や時間対効果(タイパ)の面でも大きく貢献できると考えています。

マイクロインフルエンサーとの交渉方法、プロモーションの実行

マイクロインフルエンサーを活用したプロモーションを行うためには、まず適切なインフルエンサーを見つけ、その後交渉を行う必要があります。

交渉の進め方

マイクロインフルエンサーが見つかったら、実際にプロモーション依頼の交渉を行います。アカウントのプロフィール欄に依頼方法が明記されている場合は、その手順に従って連絡を取ります。一方、特に記載がない場合は、InstagramのDMを活用してコンタクトを取るのが一般的です。

前述のコミュニティの定義が適切であれば、マイクロインフルエンサーとベーカリーAの親和性が高いことを示せます。親和性が高いほど、インフルエンサー側も前向きに交渉に応じてくれる可能性が高まります。

報酬の設定

報酬額の設定については、顧客獲得単価をベースに計算すると適切な金額を見積もりやすくなります。例えば、ベーカリーAの平均顧客単価が1,000円の場合、このプロモーションで10人の購買客を獲得したいと考えると、インフルエンサーへの報酬は10,000円がベースになります。

また、今回のプロモーションの目的は「固定客を多く獲得すること」と定義しました。そのため、コミュニティの定義にリピーターにつながる要素を盛り込むことで、再訪率を高める戦略が重要になります。リテンション(2回目以降の購入)を考慮したプロモーションであることをインフルエンサーに伝え、報酬設定もそれを反映した適切な価格に調整すると良いでしょう。

さらに、マイクロインフルエンサーが店舗を訪問し、投稿用の素材を撮影する際には、パンやドリンクなどの費用を別途負担することも交渉のポイントになります。

プロモーションの実行手順

交渉が成立したら、プロモーションの詳細を記載した契約を交わし、以下の準備を進めた上でプロモーションを実施します。

  1. マイクロインフルエンサーが投稿内容の構成を決める
  2. マイクロインフルエンサーが投稿用の素材を撮影する
  3. 投稿予定日に合わせて素材の編集を行う
  4. 投稿を予約
  5. 投稿内容を公開し、プロモーション開始

プロモーションの効果を可視化するために、クーポンコードを活用するのも有効な手段です。例えば、「投稿を見た人がクーポンを提示するとパン1つプレゼント」などの特典を用意すれば、どれだけの顧客がプロモーション経由で来店したかを数値化できるため、施策の効果測定がしやすくなります。

まとめ

本記事では、Instagramのマイクロインフルエンサーを活用したプロモーションの進め方について、横浜市青葉区のパン屋「ベーカリーA」を例に具体的な手順を解説しました。マイクロインフルエンサーの選定から交渉、プロモーションの実施までの流れを整理することで、より効果的なマーケティング施策を行うためのポイントを明確にしました。

特に重要なポイントとして以下の点が挙げられます。

  1. ターゲットの明確化
    固定客を獲得するために、ターゲットとなる顧客像を具体的に設定し、それに合ったコミュニティを持つマイクロインフルエンサーを選定することが重要です。
  2. Instagram API連携ツールの活用
    ハッシュタグ検索を活用し、エンゲージメントの高いアカウントを効率的に特定できるツールを用いることで、コストと時間の削減が可能になります。
  3. 交渉とコスト管理
    プロモーション費用や撮影時のコストを明確にし、マイクロインフルエンサーとの交渉を円滑に進めることで、適切な費用対効果を実現します。また、クーポンの活用など、効果測定を意識した施策も重要です。
  4. プロモーションの実行と効果測定
    投稿内容の準備、撮影、投稿スケジュールの管理をしっかり行い、プロモーションが最大限の効果を発揮できるように計画を立てます。さらに、クーポンなどを活用することで、キャンペーンの効果を数値で把握し、次回の施策に活かすことが可能になります。

マイクロインフルエンサーを活用することで、単なる広告ではなく、親和性の高いフォロワー層に対して自然な形で情報を届けることができます。特に地域密着型のビジネスにおいては、この手法が非常に有効です。

今後も、このAPI連携ツールを活用したマイクロインフルエンサープロモーションの実践や、新たな活用方法について情報を発信していきますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。

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