私は現在、サラリーマンとして働く傍ら、個人事業も行っています。(経歴については各SNSをご覧ください。ここでは割愛します。)
先日、個人事業用のホームページやnote等で、Instagramのマイクロインフルエンサーを活用した横浜市内飲食店プロモーションサポートのパイロットプログラムをアナウンスしました。ここでは、私がマイクロインフルエンサーに着目した背景と実体験、彼らのプロモーションとしての価値、そして将来の展望についてお伝えいたします。
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マイクロインフルエンサーに着目した背景と実体験
私は現職でマーケティングを担当しており、集客戦略の一環としてインフルエンサーを活用する施策を度々検討してきました。しかし、その際に取り上げられるのは、一定数のフォロワーを抱える人気インフルエンサーが中心でした。フォロワーが少ない人に紹介しても、認知拡大の面では効果が限定的と考えられていたからです。
過去にインフルエンサーを活用した施策では成功事例を得られず、その難しさを痛感しました。私が感じた課題は、インフルエンサーが発信する熱量と、フォロワーが求める情熱との間にギャップがある点です。インフルエンサーの本来の役割は、フォロワーのためになる情報を的確に発信することにありますが、広告商材がその軸からずれると違和感が生じ、インフルエンサー自身の熱意も低下します。多くの場合、フォロワーは発信内容だけでなく、インフルエンサーそのものに惹かれているため、活動方針を正確に把握しなければギャップが生じると感じました。
一方で、インフルエンサーによるプロモーションには可能性を感じています。たとえば、私の妻はInstagramで子育てやライフハックに関する情報を収集し、実際に商品購入や課題解決に役立てています。彼女は、大物インフルエンサーよりも、フォロワー数が少ないいわゆる「マイクロインフルエンサー」と呼ばれるアカウントをフォローしています。これらのアカウントは、たとえば「子育てに特化」や「キッチンのライフハックに特化」など、特定のテーマに絞った情報発信を行っており、その分野の情報のみを求めるフォロワーの満足度が高い点に着目しました。
プロモーションとしての価値
今回、飲食店に特化した理由は、顧客のマーケティング活動の文脈に合わせたかったためです。企業のマーケティングは業種や商品によって戦略・戦術が大きく異なり、飲食店も例外ではありません。顧客ターゲットや提供するコンセプトに応じて、新規客の獲得かリピーターの獲得かといった集客目的が変わってくるため、単純な横展開で成功するものではないと考えました。
グルメ系のInstagramアカウントは多数存在し、特に首都圏では美味しそうな飲食店が次々と紹介されています。これらのアカウントは、グルメなフォロワーに多様な飲食店を知ってもらうことで認知度を上げる役割を果たしています。しかし、実際に店舗へ足を運ぶかどうかは、フォロワーの住む地域や職場などの生活圏に大きく依存するため、プロモーションの費用対効果は読みづらいという課題があります。そのため、飲食店側の意思決定が難しいのではないかと感じました。
そこで、私が注目したのがマイクロインフルエンサーです。マイクロインフルエンサーは小規模なコミュニティ内で活動し、フォロワーとの接点が近いという特徴があります。地域に根ざしたマイクロインフルエンサーが、親和性の高い飲食店を紹介することで、新規顧客の獲得だけでなく、リピーターの獲得にもつながると考えています。リピーターになるためには、商品の満足度に加え、店舗が顧客の生活圏内にあることが重要です。美味しくても、家から遠い店舗にはなかなか足が運ばれません。一方、マイクロインフルエンサーの紹介は新規客の母数が少ないという課題もありますが、固定客が増えればその顧客がアンバサダーとなり、新たな顧客を連れてくる可能性は十分にあります。プロモーションを単なる認知拡大の点ではなく、固定客を増やす線として捉えることで、より価値のある施策が実現できると考えています。現時点では仮説の域ですが、この仮説を検証するために今回のパイロットプログラムを開始しました。
将来の展望
まずはパイロットプログラムを成功させ、仕組みを確立することを短期目標としています。その上で、全国へ対象エリアを拡大し、将来的には法人化も視野に入れています。
取り組みには多くの課題があります。たとえば、適切なマイクロインフルエンサーのリストを正確に抽出できるかどうかです。リスト抽出にはInstagramのAPIを活用した独自ツールを使用し、実際のプロモーション結果を踏まえてアルゴリズムを常にアップデートする必要があります。トライアンドエラーの数と質が重要となるでしょう。
また、クライアントに対してどこまでサービスを提供するかも課題です。単にリストを提供するだけでは満足しないクライアントも多く、マイクロインフルエンサーとの交渉や報酬の仕組みといった対応が求められます。
さらに、Instagramに限らず、XやYouTubeなど他のSNS媒体についても検討を進める必要があります。これらが実現すれば、食べログやGoogleの口コミ戦略と同様に、飲食店が採用すべき戦術の一つとなるでしょう。
飲食業での成功事例を確立できたなら、次はホテルや観光業など他の業種にも展開していく予定です。各業種に合わせたアルゴリズムの構築が必要となり、長期的な取り組みになると考えています。こうした取り組みが進めば、マイクロインフルエンサープロモーションの市場規模も拡大していくでしょう。
おわりに
このパイロットプログラムは、マイクロインフルエンサーの力を最大限に活かし、従来の枠にとらわれないプロモーション手法を模索する挑戦です。ご興味をお持ちの方、またはパートナーシップに関心のある方は、どうぞ下記リンクよりお気軽にお問い合わせください。共に新たなマーケティングの未来を切り拓いていきましょう。
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